過去の取扱事例


◆様々なお客様がいらっしゃいますが、とりわけ以下のような方々からご依頼をいただいております。

・訴訟等の紛争解決も弁護士の能力に左右されるので、信頼できる弁護士に依頼したい。

・すでに顧問弁護士がいるが、対応が遅いので困っている。顧問弁護士を対応が早くフットワークの軽い弁護士に変えたい。

・トラブルに直面しているわけではないが、実績・知名度のある法律家に顧問弁護士になってもらい、会社のホームページ等に掲載して、会社の信用を向上させたい。

・業務の性質上、土日祝日・夜間も対応してくれる弁護士と顧問契約を結びたい。

・契約書のひな形を利用していたが、トラブルが生じた際、穴だらけでまったく役に立たなかった。日常的に契約書をきっちりと作成・チェックしてくれる弁護士に顧問になってもらいたい。

 

 

◆解決事例

ここでは「他の法律事務所に依頼したが断られてしまった」というお客様の案件を中心にご紹介いたします。 

 

①事業協力金という名目で支払った領収証のないお金を取り戻す

 【関連ワード:役員の監視義務、役員の第三者責任、役員の損害賠償責任】

依頼者は領収証を受け取ることなく事業協力金としてY株式会社の社長に数千万円を支払ったが、その社長が3カ月後に死去した。Y社に返還請求するべく9つの法律事務所に相談したが、どこでも「領収証がない限り無理だ」と言われた。なにか手だてはないかという相談であった。Y社の役員に対して監視義務違反に基づく損害賠償を請求することよっていくらかは取り戻せる可能性はあるということで受任し、訴えを提起した。会社法429条(役員の第三者に対する責任)に関する近時の判決例を精査し、裁判官を説得したところ、請求額(支払った額全額)の半分を支払う旨の裁判上の和解が成立した。

 

 

②社長の口車に乗せられ出資したが1年後に会社が倒産

 【関連ワード:投資詐欺、善管注意義務、役員の損害賠償責任】

依頼者はY株式会社に出資したところ(1千万を超える大金である)、Y社は1年余りで倒産してしまった。出資金を回収するべく複数の弁護士に相談したが、どこでも「株式投資にリスクはつきものだ」ということで取り合ってもらえなかった。いくらかでも取り戻してほしいと依頼されたので、Y社の社長に対し善管注意義務違反に基づく損害賠償請求訴訟を提起したところ、その社長に請求額全額(出資額全額)の支払い義務を認めさせたうえでその7割を支払う(3割は支払を免除する)という裁判官が提示した和解案のとおりに決着した。なお、社長のいかなる行為が善管注意義務違反に当たるかについては最新の法理論を駆使した。

 

 

 ③2人の息子のうちの1人に円満に事業承継

 【関連ワード:事業承継、取得条項付株式、後継者、跡継ぎ】

X株式会社の社長である依頼者は病気のため余命が長くないとのことであった。その社長には息子が2人いるが、長男は別の仕事をしており、X社で現に働いている次男に会社を継がせたいと考えている。なお、社長の妻はすでに亡くなっており、相続人は息子2人だけである。他の法律事務所に相談したところ、相続後に次男が長男の株式を買い取ればいいという答しか返ってこなかったとのことであった。これでは買取価格をめぐって揉めることになりかねず、長男も納得するような形で次男に事業を承継させる方法はないかとの相談であった。社長は100%株主であったので、その株式を取得条項付株式に変更し、社長が亡くなった際には、長男が相続した株式を1株当たりの純資産額の1.2倍を乗じた対価でもってX社が取得できるようにした。

 

 

④昔ながらの役員構成を会社の現状に適した役員構成に

 【関連ワード:株式会社の役員構成、機関設計、取締役、監査役、補欠取締役】

依頼者が30年前に創業したX株式会社は取締役が3人いて、監査役も1人いるが、社長である依頼者以外は名目的な存在であった。「今の会社法では様々な役員構成が可能だそうだが、わが社に適した役員形態を提案してほしい」との相談であった。定款を変更して取締役1人だけの役員構成にし、株主総会で補欠取締役を選任しておくことを提案した。社長である取締役が万が一死去した場合、株主総会の招集権者が不在となり、また、議長になる者もいないという事態に陥り、株主総会で次の取締役を選任する際に面倒なことになるからである。

 

 

⑤敵対する株主を排除

 【関連ワード:スクイーズ・アウト、少数株主排除、敵対株主、全部取得条項付種類株式】

創業以来の株主で、当初は関係も良好であったが、ここ数年、何もしないくせに、何かと口出しして敵対してくる株主がいる。この株主を追い出す方法はないかとの相談であった。依頼者は3分の2以上の株式を保有していたので、全部取得条項付種類株式の制度を用いて、その口うるさい株主をスクイーズ・アウトした(その株主の株式を会社が取得してその株主を追い出した)。

 

 

⑥労災隠しの巻き沿い回避―内部統制システムの構築と第三者委員会の設置

 【関連ワード:労働災害、労災報告、労災隠し、労働基準監督署、内部統制システム、第三者委員会、リスク管理、コンプライアンス、法令遵守】

X株式会社は公共工事を請け負う会社である。問題となった案件では下請け会社であったが、孫請け会社の従業員が工事中に怪我を負った。元請け会社は入札停止処分を恐れていわゆる労災隠しに及んだ。労働基準監督署は元請け会社だけでなく、下請け・孫請け会社の現場責任者についても共謀共同正犯であるとして刑事告発に踏み切った。マスコミでも報道されたので、取引先から「いったいどういうことだ」という問い合わせが相次ぎ、このままでは多くの取引先を失ってしまうという事態に追い込まれた。X社には顧問弁護士がいたので、その弁護士に相談したそうであるが、「形式犯であるので、弁護士が出ていったところでどうこうなるものではなく、有罪は免れない」と言われたとのことである。労働基準監督署の狙いは元請け会社であって、X社の現場責任者にはなんら違法性はないので、共犯性を否定できれば勝機はあると考えて受任し、第三者委員会を設置して適正に労災報告が行われなかった原因を究明したうえで報告書を作成し、未完備であった内部統制システム(とりわけリスク管理体制とコンプライアンス体制)を構築した。第三者委員会の報告書および内部統制システムに関する社内規程を添えて、共犯性を否定したうえで不起訴処分が相当である旨の意見書を検察庁に提出したところ、みごとに不起訴処分となった。

 

 

⑦セクハラ・パワハラ

 【関連ワード:セクハラ、パワハラ、会社都合、自己都合、退職金、内部統制システム】

依頼人はセクハラ被害に遭っていたのでY株式会社にその旨を訴えたところ、逆に配置転換というパワハラ被害に遭うはめに陥った。依頼人はY社を辞める決意を固めたが、会社都合による場合の退職金が数百万円であったのに対し、自己都合による場合の退職金はその20分の1ほどの額であった。依頼人がセクハラおよびパワハラを理由にY社に退職を申し出たところ、会社側は自己都合による退職であるとの主張を曲げなかった。なんとか会社都合による退職にならないかとの依頼に対し、Y社の関係者から周到に聞き取り調査などを行って証拠をそろえ、Y社に損害賠償を請求したところ、Y社はセクハラ・パワハラの事実を認め、会社都合による退職であるとして、請求額満額の退職金を支払った。この件を機に、弊所の顧問先企業にはセクハラ・パワハラ対策の内部統制システムの導入を喚起している。